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ただし、それができないのは、アメリカだからという特殊な事情によるものではない、と私は思っています。
日本には、上司が残業していたら部下もあすできる仕事をしてそれにつき合う(多くは、いわゆる。 サービス残業乙というカルチャーがあるため、日本のマネージャーには残業をマネジメントするという習慣がありません。

また、若い社員たちが定時でさっさと帰るのを見て、多くのマネージャーはアメリカの日系企業と同様、「今の若い連中は……」と不満を感じながら、どういう言葉で指示すべきかわからないまま、自分で仕事をかかえ込んでいるのではないでしょうか。 要は、日本でやっていないこと、やる習慣がないことは、アメリカにおいてもできないということなんです。
これを矯正するには、部下への語りかけを習慣化し、そのための適切なフレーズを知恵の一つとして覚えるしかありません。 日本人マネージャーは部下の叱り方がヘタですから、私たちが在米日系企業の駐在員(マネージャークラス)を対象に行っている「マネジメント研修」では、日米の歴史の差異に基づく「マネジメントの違い」を解説したり、あとに述べる「評価者訓練」を実施したりするほかに、「部下への指示の出し方」や「注意の仕方」などもカリキュラムの内容に加えています。
私たちがそうした「コミュニケーションの取り方」について研修で注意を促しているのは、日々の不満が曇積することによって、指示するにしろ注意するにしろ、怒りの気持ちが入り込まないようにするためです。 あるいは、先のN社におけるジョンのようなケース(遅刻が多くなった・営業成績が急に落ちた)への対応や、業務時間中に私用電話をする社員、その日の仕事を片づけたのでPCゲームに興じる秘書への注意の仕方、叱り方などにおいても、怒気を含まない効果的な方法を伝授しています。
というのも、はっきりいって、日本人は叱ることがヘタだからなんです。 ひと昔前の日本人マネージャーは、かつての自分がそうされたように、社員たちの面前で当事者を怒鳴りつけるスタイルをとりたがり、今の若いマネージャーは、部下に嫌われたくないために、あまり部下を叱らない(あるいは、心優しいボスを演じようとするため、叱ること自体に慣れていない)という、両極端の傾向があります。
みなさんはいかがでしょうか。 さて、すでに述べたように、注意を促したり叱ったりするのは、「その都度、その場で」が基本です。

そして、その目的は、「気づきと反省によって職場の生産性を高め、自部門の目的達成に役立つこと」であって、部下をへこませたり、言い負かしたりすること(それによって上司が勝者の気分を味わうこと)では断じてありません。

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